2009年1月16日金曜日

ば・い・く


けっこうまえのはなし。

自転車で帰宅中の交差点にて、「サドルが低すぎるから調節してあげるよ♪」とフレンドリーに声をかけられました。信号待ちは長いし、確かにサドルは低いままだったので、言われるがままに自転車を降りたわたし。

それにしてもこのお兄さん/おっさん、全身汗だくで、顔は真っ赤。サドルを上げてもらい、自転車の乗り方指導を軽く受け、ありがとうさようなら、と別れるところが、そうじゃなかった…。

なんと、そこから怒涛の自転車特訓がスタート。(*頼んでません。)シティからの帰り道で疲れている上に、気温は37度。坂も多くてビギナーの私にとっては普通に乗っているだけでヘロヘロなのに、

「ブレーキをかけるな!風にのれ!」
「もっと速く!もっと速く!あきらめるな!自分を信じろ!」
「そんなんじゃ次のレースに間に合わないぞ!」 (一部脚色アリ)

って感じに、私の後ろにぴったりとつき、渾身の指導が続くこと7km。反論するより素直に従うが吉と思った私はおっさんの指導を嫌嫌受け入れ、とにかく必死にペダルを踏みました。

さらに、無言の私の横で、この後さらにハイテンションなバイクトークを繰り広げます。

「ボクは一日何時間でも自転車に乗っていられるんだ!ハハハハー!今日はもう3時間乗っている。自転車は乗れば乗るほど若さを保てるんだ~!YOU KNOW WHY???? 肌がいつも新鮮な空気に触れていて、細胞が活性化するからさ~ハハハハー!ユー・アンダスタン?」

「ボクは、毎日自転車に乗ってても、ちっとも日焼けしないんだ!日焼け止めも塗らないのにね!YOU KNOW WHY???? いつも汗をかいていて汗が肌を守ってくれてるからさ~ハハハハー!ユー・アンダスタン?」

「ボクは、サングラスをしなくてもまぶしくないんだ!ハハハハー!YOU KNOW WHY???? 涙がいつも瞳を守ってくれてるからさ~ハハハハー!ユー・アンダスタン?」

(注:いくら汗をかいていても、日焼け止めを塗らず、サングラスもかけずで何時間も自転車に乗るのは自殺行為です。よい子はマネをしないように!)

この「YOU KNOW WHY???」って自分で聞いて自分で答え、「You Understand?」て終わるスタイルが終始一貫、おもしろくて笑えます。もちろん笑う余裕なんてまったくなかったけど…とにかく、道中こんな感じで、この日は通常25分かかるところを最速の15分で家につき、いつもの5倍疲れてぐったり。





P.S. 柳家小三治さんのエッセイ「ま・く・ら (講談社文庫) 」と「バ・イ・ク (講談社文庫)」が大好きです。文庫本持ってこればよかった…日本語の妙が恋しい今日この頃。