2008年9月26日金曜日

「教える」仕事

今の会社に就職してよかったです。
先輩・同期ほか社員のみなさんの人柄のすばらしさと、生徒との出会いの面白さ。やっぱり大事なのは「人」だと、彼らのおかげでかなり考え方が変わったなと思います。正直、職場でこういう和やかな、温かい気持ちでいられるとは思っていなかったので、思わぬ幸運に恵まれたものだなぁと、しみじみとご縁に感謝しています。

特に、生徒とのめぐり合いは、塾の講師の仕事の醍醐味の一つだと思いますが、「え!あの子がこんなに??」という見事な成長を見せてくれる生徒がたまにいて、久しぶりに会ったときの感動は何とも言えず嬉しいものです。臨時ボーナスみたいな感じです。

先日も、以前教えていた生徒に、再会しました。進学後は、高校受験のとき以上に頑張っていました。入試が終わってすぐから、クラス分けテストのために、まだ自習室に通って勉強していたのをよく覚えています。そして2年半が過ぎ。今度は大学受験。今は英検準2級も取って、地元の国立大学の工学部にどうにか手が届きそうなところ、と言います。何よりも嬉しいのが、「先生、ぼく頑張っとるよ。」とちゃんと胸を張って言う、堂々とした姿です。とっても頼もしい。あんたがいたら、日本の未来は大丈夫、とさえ思えてしまうくらい。

その子が入塾してきたのは中3の夏くらいで、中1~2の内容がすっぽりと抜けている状態。見かけも悪っぽくて、目つきも怖くて。でも塾に入るからには頑張るぞ、みたいな気合は十分な子でした。

質問対応もずいぶんしましたが、一つこだわると納得するまでとことん考える子だったので、「でもどうして~??だってここが~~。」という質問にはずいぶん鍛えられたと思います。それを知ってか知らずか、話している途中で、ちょっと照れくさそうに、「・・・・・・で、先生、最近どうなの?うまくやっとるの?」と私の近況を聞いてくれたのには笑いました。「うまくやっとるの?」(笑)

ええ、ええ。お蔭様で。あなたには鍛えられまして。大変お世話になりました。
あのときのご恩は決して忘れません。・・・と、こう書いてみると、まさにその通りで。この仕事は「教えること」よりも「教えられること」の方が想像以上に多いんだな、と、しみじみ。